韓国のウェブ匿名規制を迂回しているのは…大統領府?

また冗談みたいな話が。

  • 韓国政府が大手ポータルでの匿名規制を7月に開始
  • Google Koreaが、ユーザに「どこに住んでるか」聞き、韓国内と答えたユーザはアップロードや動画へのコメントができないようにYouTubeを改造
  • 他国を選べば誰でもこの規制を避けられるので、Googleの変更は法律逃れだとの批判が起こる
  • 韓国大統領府が、上記の規制でできないはずなのに自らのPRビデオをYouTubeにアップロードしつづけていることが発覚 ← いまここ

激しい中傷による有名タレントの自殺などが続くことから、匿名でのウェブ書き込みを厳しく取りしまり、本人確認を強制させようとする韓国。

こうした趨勢の中で生まれたのが,「制限的インターネット本人確認制度」(通称:インターネット実名制)だ。これは韓国・情報通信部(日本の総務省に相当)が国会に提出し,昨年12月に可決された「情報通信網の利用促進,及び情報保護などに関する法律」改正案の一部として実現された。今年7月に施行される予定だ。

一日に10万人以上のアクセスがあるサイトは、本人確認を義務付けられることになったそうです。

GoogleのYouTubeも、この10万人基準に引っかかるようですが、Googleが韓国向けに取った対応は、ユーザの自己申告で「韓国に居るかどうか」を聞いて、はいと答えれば規制するというもの。

そんなことで機能が制限されるのであれば、誰もが韓国じゃなくて他の国にいると答えるのではないでしょうか。となると、このGoogle/YouTubeの変更が、実際には何の役にも立たない、韓国の法律をかいくぐるためだけの対応だ、ということでGoogle Koreaの対応を非難している記事もあります。(中国政府には協力してるのにダブルスタンダードだ、とも)

そんな状況で韓国のThe Hankyorehというオンラインメディアが発見したのが、青瓦台(韓国大統領府)のPRビデオがあいかわらずYouTubeに上がりつづけていること。「韓国からのアクセス」と答えたらアップロードできないはずなのに、このビデオはいったいどこからアップロードされているのか、と。

記事にある青瓦台の回答を訳すと、

「YouTubeの青瓦台チャンネルは海外へのPRのためのもので、設定地域は韓国ではなく全世界となっています。YouTubeの変更にかかわらず、これからもPRコンテンツをアップロードしつづけます」

これは、Google Koreaの対応を大統領府が追認したようなものです。今回のYouTubeのような適当な対応をするだけで、大変で面倒な本人確認の規制をせずに済むのなら、YouTube以外の他の多くのウェブサイト・ポータルも同じように真似ていってしまい、ますます規制は有名無実になるのではないか、という観測も記事には書かれています。

なんというか、ぐだぐだですね。完全本人認証とか匿名禁止とか、どこの政府の人もそういうの好きっぽい感じを受けますけど、規制しようとする側ではお上(自分たち)は例外だと思ってるのかもしれません。もって他山の石としてほしいものですが、さて。

The Hankyoreh via Silicon Valley Watcher

Google GDriveの詳細がGoogle Packのヘルプから判明

GDriveという名前だけは数年前からあるけれど、どうやらついにGoogle GDriveがリリースされるようです。Google自身がホストしているコードから、GDriveの紹介が流出しました。

beu blogの人がGoogle Pack(Googleが同社の無料アプリを中心に無料のソフトウェアをまとめて配布しているもの)の配布ページのメッセージの多言語化ファイル(多国語対応のメッセージが入ったファイル)の一週間前の更新から、新しくGDriveに関連する解説メッセージを発見しました。

Google Packのダウンロードでは、こんな風にどの無料アプリを含めるかを選択できます。この選択肢の中に、密かにGDriveが入っているということですね。

日本語ユーザ向けのファイルにはまだ入ってないですが、英語でアクセスするとこういうデータが含まれています。

// Localized product category of GDrive
_CI_messages.CI_GDRIVE_CATEGORY = 'Online file backup and storage';
// Localized short description of GDrive (1st
// of 2 description lines)
_CI_messages.CI_GDRIVE_DESCRIPTION_1 = 'GDrive provides reliable storage for all of your files, including photos, music and documents';
// Localized short description of GDrive (2nd
// of 2 description lines)
_CI_messages.CI_GDRIVE_DESCRIPTION_2 = 'GDrive allows you to access your files from anywhere, anytime, and from any device - be it from your desktop, web browser or cellular phone';

これでこのJavascriptの翻訳が完了すれば、HTMLのほうを書き換えてGDriveを選択できるようにするだけ、ということですね。しかし、なんで実際のリリース前にこの更新がサイトに上がってしまったんでしょう。

上記の短文解説によると、Google GDriveの正体は「オンラインのファイルバックアップとストレージ」で、「GDriveは写真、音楽、文書などすべてのファイルのための信頼できるストレージです。GDriveを使えば、いつでも、どこでも、デスクトップや、ウェブブラウザ、そして携帯電話などどんなデバイスからでも自分のファイルにアクセスすることができます」だということです。

つまり、DropboxとかWindows Live Syncみたいなサービスで、加えて携帯電話も使える、ということかな?

グーグル爆弾がオバマ大統領を直撃

“miserable failure”(みじめな失敗)というキーワードでジョージ・ブッシュ大統領の経歴ページにリンクを張ろうぜ、というSEOを活用したイタズラ(嫌がらせ)が何年も前からあって、これに代表されるリンクテキストを使ったおかしな検索結果を作ることを”Google bomb”(グーグル爆弾)といいます。

“miserable failure”→ブッシュ元大統領については、Googleが特別に対処したとかで起こらなくなったはずなのですが、検索エンジンのアルゴリズムなんてどこも似たようなもので、アメリカのヤフーで”miserable failure”を検索すると、なんとあの人のページが一位に出てきてしまいます。

オバマ大統領の就任式にあわせて、ホワイトハウスのサイトが完全リニューアルしたのですけど、リダイレクトの設定がよろしくないせいでこんなことに。元々このイタズラをしてた人たちの思惑とは違う結果なんじゃないかなー。

via Search Engine Land

関連

Google地図爆弾

グーグルをゴグルにする方法

グーグルの検索は「次へ」を押していっても1000件までしか結果を表示してくれませんね。1000件に近いあたりから1000件を越えるような検索をすると、画面の下のほうのページ案内部分から’O’の文字が一個落ちて、”Gogle”となってしまうそうです。

検索結果のページ(検索語はなんでもいい)で、アドレスバーのURLの後ろに

&num=100&start=990

とつけると、誰でもこれを再現することができます

via seomoz

無料の夕食なんてない? Google食堂縮小の噂

ValleyWagによると、三食おやつお茶の時間すべて無料のGoogleが誇る社員食堂システムが、来週月曜日からコスト削減のために朝食昼食以外を止めてしまう、んだそうです。

# 社員からのタレコミ、とあるけど、もちろんまだ噂の段階ですね。

本当だとしたら、すばらしいGoogleの職場環境の象徴でもある食事に手をつける理由はなんでしょう? コストは確かにかかるだろうけど、人件費や募集への効果に比べればそんなに大きなものなのかなと思いますし。食堂を委託している会社との不和、みたいなこともValleyWagは言ってます。

[追記 2008-08-27] 「非エンジニア社員への」中止だということです。エンジニア天国はまだ安泰ということですか。しかし、エンジニアと非エンジニアで一緒にランチをとったりすることもあるでしょうし、ある建物に無料食堂が無いだけなら、遠征するのはOkなのか、とか、まだまだ不明点が多いような気がします。

食堂より広い話ですがほぼ同時にこういう記事も。翻訳がちょっと煽ってる風です。

グーグル、豪華な福利厚生の大半を廃止へ――同社を去る従業員が増加 : Googleウォッチ – Computerworld.jp

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