全体主義風ツイッター/フェイスブック/アップル ポスター

こういうパロディ好きだなあ

どれだけリムられようと、ひたすらフォローせよ

ツイッター: エゴの基の平等を

フェイスブックはすべて。マークがすべて

アップルか、しからずんば死か

via La Revolución Digital Pt. 2.

料理ウェブサイトのユーザーをめぐる戦いは総力戦のレシピへ

この記事は2011年2月16日のThe Japan Timesに書いたコラムの翻訳です。月1で日本のWeb事情に関するニュースコラムを寄稿しています。運営している英語ブログAsiajin.comの読者層開拓が目的です。

過去の記事はこちらから


近年より多くの女性が結婚後も働き続けるようになってきたとは言え、日本では、家族のための食事を用意するという役割りを女性に対して期待するのがまだまだ普通です。そして作るのが夫や子供のためのベントー(ランチボックス)であれ晩御飯であれ、日本の主婦はインターネットを使ってレシピを探すことで知られています。

そういう状況では、世界で最も成功している、と言ってほぼ間違いないであろうオンラインレシピサイトが日本のものだというのもそれほど変ではないでしょう。

87万件の無料のユーザー投稿レシピを擁する、Cookpad.comは、一千万人以上のユーザー – その96.5%が女性(さらにその75.3%が既婚) – を誇っています。サイトの集める月間4.45億ページビューは、AllRecipes.comやFood Networkといったアメリカのレシピサイトのトラフィックに匹敵するもので、日本語話者にしか読めないサイトで、しかもその半数しかターゲットにしていないということを考えれば、悪くない数字でしょう。(もしもっと多くの男性が料理を始めたなら、この成功はもっと拡大するということです)

クックパッド社は東証マザーズ(成長企業向けの株式市場)に上場しており、2010年の会計報告によれば22億円の売上、5.67億円の利益があります。しかしサイトが「無料」だとしたらどうして金銭的な成功が得られているのでしょう?

その答えは有料会員、企業マーケティング、広告のこの順番での組み合わせです。

有料会員数は公表されていませんが、売上の数字から推測することはできます。45万人の会員が毎月294円を支払い、人気順でのレシピの並べ替え、(無料では20件のところ)3000件のレシピブックマーク、(無料では10人のところ)50人の作者のレシピ購読、過去のレシピのより良い検索、といった機能を使っています。45万人といえば日本の人口の300人に1人になります。レシピの提供という一機能だけのサービスにも関わらず、クックパッドが日本で最も成功している有料会員サービスの一つであるというのは誇張ではないのです。

ウェブ企業楽天は、反対に、日本最大の電子ショッピングモール楽天市場の周りに形成されたコングロマリットです。楽天ブランドは書籍販売、旅行予約、銀行、電子マネー、オークション、クレジットカード、野球チームなどを広くカバーしています。

2010年10月に、この楽天がそのラインアップに楽天レシピを加えました。基本的に、楽天レシピはクックパッドの提供しているものをすべて、しかも有料会員無しに提供しようとしています。トップページや他サイトへのバナー広告で高らかに「レシピの人気順表示が無料です」などと誇らしげに語っていることから、クックパッドユーザーをターゲットとしているのは明白です。

クックパッドと異なり、楽天レシピはレシピ投稿者に褒賞を出しています。楽天グループは楽天スーパーポイントと呼ばれる、グループ内を還流する仮想通貨を持っています。レシピの投稿ごとに50ポイントが得られ、これを使えば、たとえば楽天市場で50円分の割引が受けられます。レシピを使った料理レポートを書いたユーザーも10ポイントがもらえます。

もしこれがあなたの仕事だというなら、新しいレシピを一本書いて50円というのはそれほど素晴らしくも見えません。しかし、すでに大量のレシピを他所で書いていたら? 楽天レシピに再投稿するだけでちょっとしたお小遣いになるでしょう。楽天レシピの公式ブログは他人のレシピを盗用しないように警告していますが – オリジナルの作者から苦情を受けたということもありえます – 写真や文章には著作権があるとはいえ、料理の手順自身にはありません。つまり、レシピを再作成して新しい写真や書き直した文章をつければ、公明正大に50円の稼ぎ、というわけです。

楽天のもう一つの優位性はオンライン商店のバラエティです。レシピから商店の食材や調味料や調理器具へのリンクは将来楽天レシピに追加の収入をもたらすかもしれません。

ユーザーが貢献するコンテンツに対価を支払うことは、必ずしもサイトの成功につながるとは言えません: たとえば、ウィキペディアはコンテンツに対して報酬を支払いませんが、同種のサイトの中ではナンバーワンです。しかし、クックパッドユーザーの忠誠心は楽天の支払いによって試されています。

ニールセンオンラインによれば、楽天レシピは2010年11月 – まだ開設2ヶ月目です – にクックパッドの4分の1の訪問者を迎えたということです。彼らは第二位のレシピサイトYahoo!レシピを急速に追撃しています。

ヤフージャパンの戦略は、Yahoo!モバゲー(モバゲータウンとのPCゲームポータル)や服飾のYahoo!ゾゾタウンなどに見られる、カテゴリーごとに帝国を広げていこうとしています。彼らのレシピサイトも、ポータルにやってくる大量の訪問者を活用したものです。

クックパッドのような独立系の専門サイトが、ヤフーや楽天のようなブラックホールに飲み込まれることなくウェブのデパート達に対抗して生き残れるかは、興味のつきないところです。

クオラ(quora.com)ってすごいの? 世界を席捲するの? なんで日本ではスイカは野菜なの?

Quoraの紹介記事が日本語で出るたび、Quoraで日本人名の方にフォローされるようになりました。みなさんQuora好きですね。

フェイスブックって古くない? 次々と誕生する新種ソーシャルメディア:日経ビジネスオンライン

この筆者の方のQuoraアカウントはこちらのようです。文章の中で書かれた「日本語もローマ字にすれば世界でビジネスするのに良いんじゃね?」に対してご本人も回答されていますね。それが唯一の回答のようです。

# ちなみに6つの回答の中に僕が書いたのもあります。

Quoraがシリコンバレーで注目を集めているのは確かですが、そこの回答に質が高いものが多いのは、サービスの広まり方と参加者が絶妙で、Robert Scobleさんをはじめとした業界の有名人が多数いて、彼らがその内輪の中で「俺それ知ってるよ」競争をしてるからで、サービス自体はこれまでのQ and Aサイトとそんなに違わないです。はてなの人力検索とかも初期は相当役にたってた記憶があります。(いや、今でもうまく使えば役にたちますね。はい)

重複した質問や回答を排除しようとしたり、まとめ機能をつけたりしていて、そこが新しいと支持するテックブログも多いんですが、ユーザーが増えるに従って質問も回答もいろいろなレベルのものが出てくるようになりました。宣伝っぽいユーザーや投稿もね。

先月あった、とある日本に関する質問。「なぜ日本人の多くはスイカを野菜だと信じてるのですか?

一番人気(3人が賛同)の回答は、

「アメリカでもスイカは果物でもあり野菜でもあると考えられています(いくつかリンク紹介)。私の日本人の妻によれば、スイカは木じゃなくて地面になるので野菜だ、ということです」

日本人妻が言うんじゃしょうがないですね。

別の回答では

「スイカは漢字で西瓜と書きます。二文字目の瓜は野菜なので、そこから来てるのでは。(もし私の中国語の知識からの推測が正しければ)」

中国語じゃなくて日本語の知識のある人が答えた方が良いんじゃないかなー。

僕ともう一人の日本人の方が「日本でスイカが野菜だなんて、聞いた事ない」と書いてるんですが、賛同は少ないです。

こんな調子なので、「質の高い質問や回答もあるのかもしれないけど、べつに良くある普通のQ and Aサービスとそう違わないなあ」というのが僕の感想です。そして質はたぶん、この先ユーザーの流入でどんどん落ちていくのではと思います。

Quoraを支持するユーザーやブロガーは、「Yahoo! Answersとは違う役に立つQ and Aサイトになる」と言ってますし、そうでないブロガーは、「人が増えればYahoo! Answersと同じになるよ」と言ってます。でも、ギョーカイ人じゃない多数の人は、Yahoo! Answersやヤフー知恵袋で結構満足してるんじゃないかな。

僕のQuoraアカウントはここ。もしQuoraをお使いなら、僕のAnswersを見て「賛成」と思った回答に投票(回答の左の▲をクリック)していただけると嬉しいです。

自分では会心の回答なんだけど一番人気じゃない質問としては、

ツイッターが日本で人気だけど、フェイスブックがミクシィより人気ないのはどうして? (僕の回答は、要約すると「その人気、日本で長く運営してる順だよ(=フェイスブックが本格的に日本に参入したのは最近なので、それで長くやってるミクシィやツイッターより人気が高い方が不思議、という気持ち)」)

ツイッターが日本でそんなに人気なのはなぜ? 1位の人の回答は「日本語では140字でより多くの意味が伝えられるのと、匿名OKで有名人に話しかけられる唯一のプラットフォームだから」。僕はそこが理由だとは思わないけどこれが人気の回答

ザ・マイスペース・ムービー

フェイスブックに先行して世界を席巻したソーシャルネットワーク「MySpace」の映画です。たった3分弱なのであっという間に見られるところもすばらしい。

マイスペースに登録すると必ず最初の友達に勝手に設定されていた、創業者トム・アンダーソンさんのそっくりさんを起用。トムはデビット・フィンチャーに映画化を懇願し、弁護士と訴訟されないことを嘆き、PTAの会合に乗り込んで自分を尊重してくれと主張します…

「僕らの時代さ。100万ドルなんてはした金さ」「いいか、120万ドルだ! それがこの会社の価値さ。そして彼らが我々の映画を撮るべき理由さ」