TechCrunch50解散。ソロ活動へ

ウェブ系スタートアップベンチャーの大きな大会の一つで、過去3年に渡ってサンフランシスコで開催されてきたTechCrunch50(初回は40。発表したスタートアップの会社数)。

名物主催の二人、TechCrunchブログ(日本語版もあるので日本でも有名でしょう)の主宰者マイケル・アーリントン氏とシリアル・アントレプレナー、ジェイソン・カラカニス氏によって開催された三度のカンファレンスは、アメリカだけでなく世界中のITベンチャーの耳目を集め、その生み出した成果でもイベントの興行的にも大成功しています。

しかし、ジェイソン・カラカニス氏が今朝のニュースレター(メルマガ)の追伸欄で明らかにしたところでは、二人の我のぶつかり(と、ささやかな収益の分配をどうするか)によって、TechCrunch 50 の2010年版は、そしてそれ以降も、開催されなくなったようです。今後はそれぞれが別のイベントを開催することとなりました。

アーリントン氏はすでに、今月末のニューヨークでのTechCrunch Disruptを進めていますが、これがアーリントン氏側の後継イベントとなります(カラカニス氏の言うには、ですが)。

カラカニス氏は、来年2011年の初頭に向けて、その名もLaunch(ローンチ)というイベントを単独で開催することを発表しました。ドメインにもありますが、launchは普通の英単語なので、呼びたければ”The Launch Conference”と呼んでくれ、ということ。

Launchカンファレンスは、名前と、もちろんTechCrunch/アーリントン氏の関与が無くなる以外は、TechCrunch50とまったく同じ形式で行なわれるそうです。

また、一緒にTechCrunch50をすることは無理でも、仲違いしたわけではない、ということで、二人とも、相手が主催するカンファレンスにはスピーカーとして参加することが決まっているそうです。

次のTechCrunchカンファレンスとLaunchカンファレンスのどちらがTechCrunch50の人気や影響力を受け継ぐのか、あるいは両方がそれぞれ重要なベンチャーの発表の場になっていくのか、TechCrunch50での発表を検討していた日本の企業家たちも気になるところではと思います。

Launchカンファンレンスでの発表に興味がある人は、既に参加表明のためのフォームが用意されていますので、いち早く伝えて最初のLaunchイベントでの世界へ向けたサービスリリースを考えてみてもいいかもしれませんね。

冒頭の写真は、東京に来て日本のIT系ブロガー達と語り合ったときのジェイソン・カラカニス氏(左端。中央奥は彼の片腕であるタイラー・クローリー氏)です。その時の詳細は、Asiajinのコア執筆者である池田将さんのブログに詳しいです。喋ると止まらない人で、冗談やイタズラが大好きな、子供のようなところを持つ人物でした。

アーリントン氏の方は、フランスのパリで行なわれた2009年のLe Webで挨拶しましたが、こちらは「価値のある話ができないなら話しかけるな」というようなタイプの人です。親しい枠の中に入るとたいへん優しいという評も聞いたような気もしますが。当然握手はありませんでした。

テックカンファレンスでデビューしたスタートアップのその後

CNETに面白い記事が載ってました。昨年のTechCrunch50とDemo Fall 2008、ITベンチャーが多数集まってお披露目をする、いわゆるローンチパッド系のカンファレンスの中でも注目度の高い二つですが、そこで発表された製品やサービスについて、その後どうなったのかを追跡しています。

特にTechCrunch50の方に顕著ですが、カンファレンス当時に非公開だったりプライベート公開だったりしたものも多く、中には本当に今の技術でそんなことが出来るのか、といったものもありました。

まだ半年ちょっとしか経ってないので、あまり厳しいことは言えないと思うのですが、今でもまだ一般公開されていないものがかなりあるのが、グラフからもわかります。

cnet-tc50-and-demofall2008-ventures

わずかですが、会社を畳んだものやサイトにアクセスできないもの、ずっとエラーで止まっているものなどもあるようです。

もちろん、カンファレンス発表で得た知名度を活かしてか、うまく伸びているサービスも多数あるようです。この方の評価では、Ffwd, Postbox, Popego, Dropbox, OtherInbox, GoodGuide, VideoSurf, Yammer, Rudder, SpinSpotterといった企業・サービスがそれらに含まれるということ。