[The Japan Times記事翻訳] 日本のウェブ2011年の見通し

2011年1月19日 The Japan Timesテクノロジー面に執筆した記事“Japanese Web outlook and predictions for 2011”の、自身による和訳です

# 先週掲載されたものです。訳が遅れてしまい、すいません。


日本のインターネット利用者の、和製ソーシャルネットワークから国際的なネットワークへの移行や、通常の携帯電話からスマートフォンへの移行の多くの兆しが昨年見られました。海外の影響は他のウェブ領域でも感じられます。では2011年はどんなことが予期できるでしょう?

ツイッター: 2010年のヤフージャパンによる年間検索ランキングは2009年と代わり映えのしないものでした。しかし、一つだけ大幅に順位を上げたのが「ツイッター」。100位圏外から8位へと入ってきたのです。日本のインターネット利用者にとって、2010年はツイッターの年でした。

年間に渡り、テレビのニュースやドラマがツイッターを取り上げ、鳩山由紀夫前首相などの有名人も呼び込みました。書名に「ツイッター」と入った書籍は100冊ほども出版されました。

しかしながら、伸び悩みの兆候が見られないわけではありません。

一つは人間のふりをする自動プログラム「ボット」の問題です。日本のユーザーはこれらのスクリプトと会話することを受け入れて来ましたが、ボットのあまりの多さとそのつぶやきは、真の日本のツイッター人口を知ることを難しくしています。

また、メディアも少しツイッターに飽き始めているようです。彼らは「次に来る大物」を報じ始めています。つまり、フェイスブックです。

フェイスブック: ツイッターと比べれば、フェイスブックは日本で離陸したとは言えません…いまのところは。

フェイスブックは昨年2月、東京都心に日本事務所を開設し、過去半年で日本の利用者は50%増加しました。しかしながら、この増加率では、日本の三大ソーシャルネットワークの規模に追いつくのが2014年になってしまいます。

日本の運営マネージャーの児玉太郎氏はネットワークの「実名」ポリシーは日本でも継続すると宣言しています。あなた自身をソーシャルネットワークで露出することは多くの利点を伴うというのです。しかし、ミクシィとグリーの両方とも、その初期(2004-2005)には実名を推奨していました。それがいろいろ問題を起こしたので彼らはポリシーを変更し、ニックネームの利用を薦めています。フェイスブックの利用者が違う結果を産み出すならば興味深いことでしょう。

最近の映画「ソーシャルネットワーク」の公開にあわせ、日本のメディアはフェイスブックについて報道をしています。報道は一年前にツイッターで、その数年前にセカンドライフで行われていたものと類似しています。結果として、人々はフェイスブックを試しているところです。しかし、もし映画の活気でも登録者数がそれほど増えなかったとしたら、彼らも日本向けのマーケティングポリシーを再考しないといけなくなるでしょう。

個人的には、フェイスブックにとって日本に進出するもっとも安全な策はローカルなライバルのミクシィを買収することだと考えます。ミクシィの企業価値はグリー・ディーエヌエー(モバゲータウン)との激しい競争によって下落中です。フェイスブックは、もし注意深く実行すれば、そのユーザーを失わずに統合することも可能でしょう。しかし現段階では、彼らは自信を持って彼らのやり方を通そうとしているようです。

モバゲータウンとグリー: 日本のソーシャルネットワーク企業を見ると、日本の巨大ソーシャルネットワークの一つモバゲータウンを運営するディーエヌエーは昨夏、340%の利益増加を達成しています。その競合グリーも74%を増やしました。両社とも、簡単で無料の、しかしユーザーが追加でアイテムを購入できるゲーム群を中心にビジネスを構築しています。ソーシャルネットワークとそこでの広告でビジネスをしているミクシィはついていくのに必死です。

モバゲータウンとグリーは、しかしながら、子供が購入した仮想アイテムの高額な請求を受け取った親からの文句を受け取っています。両者はテレビで大量の広告を流しています。パチンコ企業のように。ソーシャルゲームはギャンブルと似た問題を抱えていると言って何らかの規制を提案する人々も中には存在します。もしそのようなことが起こるなら、両社にとっては大きな問題となるでしょう。

ヤフージャパンとグーグル: 2010年のもう一つの大きなニュースは、ヤフージャパンとグーグルによる検索の提携でした。ヤフージャパンはアメリカのヤフーによる検索エンジンの供給を諦め、グーグルのエンジンに切り替えをしました。それはつまり、日本のパソコン上での95%以上の検索がグーグルの基盤によるということです。グーグルとヤフーはアメリカでも同じ提携を試みましたが、独占禁止の懸念から止められています。日本の公正取引委員会は12月にこの日本での取引を承認しました。

近年、ヤフージャパンは自社サービスを諦めていくつかの分野のリーダー企業との協業に切り替えています。ゲームではモバゲータウンと、ファッションではゾゾタウンと、そして検索ではグーグルと。もしこの戦略が続くのであれば、今年はより多くの、既に成功したプレイヤーとヤフージャパンの提携を見るのではと思います。

楽天の国際化: 国内のインターネット市場における活動的なプレイヤーとしては楽天もいます。昨年の楽天の社内英語公用語化の決断は、その日本人社員とともに業界で働く多くにもショックを与えました。縮小する国内の人口と市場はこの市場での将来の成長を目指す企業にとってあきらかなリスク要因です。経営陣が海外市場に目に向けるのはもっともでしょう。しかし、これまでのところ、日本のウェブ企業による海外進出の成功事例はほとんどありません。日本の自動車や電化製品は海外への進出を成し遂げましたが、そこには製品自身(の良さ)が売り込みとなるという性格もあったでしょう。しかしウェブサービスの企業は言語の問題を避けて通ることはできません。

グルーポン: 海外から日本を襲った最新のトレンドはその名も「フラッシュクーポン」でしょう。アメリカでのグルーポンの成功や、その日本支社の立ち上げを受けて、170社ほどがこの時間制限、前払い、ソーシャルメディア利用のクーポンシステムに殺到しました。

しかし、2011年は、日本の消費者が最も重要と見る分野-食品-でのグルーポンジャパンのトラブルで始まりました。象徴的なことに、その問題を引き起こしたのは(新しい年を祝う)おせち料理でした。

グルーポンに掲載された横浜のレストランバードカフェが、予想を超える需要でおせちの配達や品質を確保できなかったのです。100セットの注文を予期していたのに500セットの注文が届き、注文をキャンセルするのでなく何とかしようとした結果、破滅的な結果を見ました。広告と実際に配達された(明らかにみすぼらしい品質の)商品の比較写真に多くの不平不満を添えたものがオンラインに流れ、日本のメディアで大きく取り上げられました。グルーポン本社CEOアンドリュー・メイソン氏までがユーチューブで謝罪を行っています。この論争が日本企業にフラッシュクーポンのビジネスモデルを使わせることになるかどうかはともかく、700名ほどまで社員を増員したと言われるグルーポンジャパンはこのビジネスを当面継続することになるでしょう。

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